知っておきたい、ニキビと関連する卵巣の病気について

ニキビ

こんにちは。

札幌市厚別区新札幌の皮膚科・美容皮膚科「さとこ皮膚科・美容クリニック」です。

ニキビの記事というと、外用薬の話や美容の話が多いですが、今回は婦人科疾患とのかかわりについて書きますね。

「ニキビは皮膚科へ」というプロモーションがされて久しいですが、私自身はニキビは皮膚科であって皮膚科でないと思っています。

もちろん、毛穴詰まりや炎症のアプローチをするために外用薬や内服薬で治療していくわけですが、なかなか治らない場合には見直すべきことがいろいろあります。

食習慣、胃腸の状態(便秘など)、ヘアスタイル、メイク、スキンケア、ストレス、生理周期、などなどです。

肌の外側からだけでなく、内側から治療する部分もニキビにはあるんですね。

原因が分かったからと言って全てが解決できるわけではないですが、ご自身の気づきとして実践できるところは意識していただいています。

体のベースを整えるための漢方を積極的に処方しているのはそれが理由です。

それで本題ですが、生活習慣のアドバイスや皮膚科の治療だけで反応が乏しいニキビを持つ女性の場合、生理周期が順調かどうか確認しています。

そして、多毛といって「毛深くなったなあ」という実感がないか、お聞きしています。

患者様から「あ、そういえば最近あごに髭みたいな濃いのが増えてきて、脱毛しようか相談しようと思ってたんですよね」と言われたこともあります。

生理不順や多毛を自覚するニキビ女性の場合、卵巣の病気が隠れていることがあります。

多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群(PCOS)というのですが、生殖年齢女性の8%くらいに発症すると言われていますので、決して珍しい病気ではありません。

確定診断は産婦人科でないとできませんが、治療に伴いニキビの症状も改善されていきます。

(実際、私も数人経験がありまして、そのうちのお一人は何をやってもなかなか改善しないニキビが産婦人科の治療後に劇的に良くなり、学会で症例報告しました。)

で、どうしてこの話を書くことにしたかといいますと、ニキビ治療でピルを自費で処方しているクリニックって結構あるんですよね。

たしかに、ピルはPCOSの治療の1つだそうで飲めばニキビは改善するかもしれませんが、それによって産婦人科へ行くことがなくなるためPCOSが見逃されてしまっていないかなあと、私自身の臨床経験から心配になったりもするのです。

PCOSは月経異常や不妊の原因になりますし、メタボリックシンドロームや糖尿病を将来発症するリスクが高いと言われています。

若い女性は産婦人科へ行くことをためらいがちですが、卵巣の状態を診るには専用の超音波機器が必要なので産婦人科でないとできないんですよね。

(実際は、10代ですと生理周期が不安定なことも珍しくないですし、毛が増えてくるお年頃でもありますから、全員がすぐに疑わしいわけではなく判断が難しいですが…)

当院ではニキビの自費治療をいろいろご用意していますが、ピル処方には対応しておりません。

ホルモン検査も含めて、まずは産婦人科できちんと診てもらった方がいいと思っているからです。

いろいろ頑張ったけどニキビが治らない、そういえば生理も不順だし毛が濃くなった気がするという方は、産婦人科で卵巣をチェックしてもらうことをお勧めして紹介状を書いています。

もちろん全員が確定診断に至るわけではないですが、不妊の原因にもなりますから、ニキビが治らないくらいで…と考えない方がいいと私は思っています。

生殖年齢女性の8%は、決して少なくないですよね。

ニキビの治療は奥深く、一筋縄でいかない場合も多々ありますが、様々な原因を一緒に考えながら少しでも良い方向へいくようにサポートしていきます。

ニキビでお悩みの方は、ご相談くださいね。

当院ではまず保険診療から始めていきますが、重症な方にはイソトレチノインもご用意していますので診察で判断いたします。

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