飲み会続きでニキビが悪化する原因と対策
忘年会・送別会・歓迎会続きでニキビや肌荒れが悪化していませんか?
ニキビは青春のシンボルと言われますが、大人になってからもニキビが出る方はたくさんいます。
悪化因子としてストレス、睡眠不足、夜食、栄養の偏り、便秘、女性なら生理前などが挙げられます。
年末年始や年度末は環境の変化によるストレス、引っ越し作業などでの睡眠不足、飲み会続き…とニキビや肌荒れを起こしやすい時期です。
改善させるべき生活習慣のヒントについて解説していきます。
■ストレス
この時期は引っ越しや異動、進学や就職と環境が大きく変わり、ストレスが溜まりますよね。
ストレスによって皮脂の分泌が増えることがわかっています。
また、ストレスで知らず知らずのうちにニキビを触って潰してしまう場合も。
潰したニキビは傷あとになって残ってしまい、治すのが非常に難しくなります。
鏡を見てはニキビを触るのが癖になっている方もいますので、注意しましょう。
ストレスを減らすのは難しいですが、簡単にできるリラックス方法として呼吸があります。
お腹を膨らませるようにして素早く息を吸って、ゆっくり細く長くお腹を凹ませながら吐いていきます。
これはヨガの呼吸法でもおなじみですが、リラックスする自律神経(副交感神経)の働きを高める効果があります。
いつでもどこでも自分ですぐにできることなので、試してみて下さい。
■睡眠不足
肌の生まれ変わりを助ける成長ホルモンは、睡眠前半(最初の3時間)で深い睡眠をとることで分泌されてきます。
成長ホルモンは、皮膚以外にも体の様々な部分の修復に関係しています。
一方で起きる準備に入るためのコルチゾールというホルモンは午前4時頃に分泌されてきます。
成長ホルモンとコルチゾールの分泌時間が重なると、十分な休息が取れなくなります。
逆算すると、深い眠りを3時間確保するには午前0時には眠りに入っていなければならないのです。
ニキビ治療のためにはシンデレラになりましょう、とおっしゃった先生がいますが、それはこういった理由からです。
飲み会に最後まで参加して夜更かしが続くと寝る時間が遅くなります。
睡眠不足も皮脂の分泌を増加させますので、ニキビ予防のためにも日付が変わる前に寝るようにしましょう。
■栄養の偏り
糖分やアルコールを摂ると、分解される過程でビタミンB群が使われます。
ビタミンB群は肌の生まれ変わりや皮脂の分泌コントロールに大切な栄養素で、不足するとニキビや肌荒れの原因になります。
焼きおにぎり、フライドポテト、ビール、デザート、〆のラーメン…あなたも思い当たることはありませんか?
炭水化物の多い食事は要注意です。
ビタミンB群は豚肉に多く含まれていますので、焼き鳥を頼むなら豚串の塩がいいですね(タレは糖分が多いです)。
ビタミンB群が不足すると口内炎もできるので、お酒を飲んだ時にしみます。
■便秘
便秘もニキビの悪化因子です。
上で書いたビタミンB群は、食事から摂る以外に腸内細菌によって作られます。
腸内環境が悪く善玉菌が少ないと、作られないばかりか消費量が増えて足りなくなってしまいます。
腸は栄養素を吸収するばかりでなく、免疫と関係していたり様々な酵素反応が行われる場所です。
腸をきちんと整えることが、体調管理や美肌に大切です。
食物繊維、ちゃんと取れていますか?
食物繊維は便通に必要なだけでなく、善玉菌の栄養になります。
野菜や海藻、きのこ類、ヨーグルト(無糖)、オリゴ糖などを摂るといいですね。
飲み会ではどうしても炭水化物が多くなりがちなので、朝や昼にサラダをしっかり食べるなど工夫しましょう。
■胃もたれ
夜遅くまでダラダラといつもより多い量を食べると、胃腸に負担がかかります。
飲み会ではなかなか難しいですが、寝る3時間前までに食事を終えるのが理想です。
2次会、3次会でもおつまみを食べていると、ニキビが悪化しやすいので気を付けましょう。
こうした胃もたれ・便秘などで出てくるニキビは眉間、鼻、口回りなど顔の中心部に出てくることが多いです。
なかなか良くならない口元のニキビ、食生活が原因かもしれません。
■メイク
飲み会の時は夜遅くまでメイクを付けていることも原因の1つです。
また、メイクしたまま寝てしまったり、シートタイプの拭き取りメイク落としで適当にメイクを落としていたり。
メイクはこすらないで優しく落としましょう。
ニキビの時のメイクは毛穴に詰まりにくいパウダリーファンデーションにして、パフは清潔に保ちましょう。
まぶたや唇はニキビが出づらい場所なので、ポイントメイクで視線をそらせるようにするといいですね。
コミュニケーションの一環として飲み会は大切な行事ですが、一方で気を遣ったり生活リズムが乱れたりとニキビの悪化因子になることも事実です。
飲み会の多いこの時期、予定のない日はゆっくり休んで食生活に気を付けて、ニキビを悪化させないように上手に乗り切りましょう。
【関連記事】
札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
この記事へのコメントはありません。