【保存版】シミの種類別、治療とスキンケアの関係

シミ

「シミを医学的に治療するものだ」という考えは、だいぶ広まってきているように感じます。

実際、皮膚科を受診するとトラネキサム酸(トランサミン®、トランシーノ®、リカバリン®など)やハイドロキノンを処方されることもあるかと思います。

トランシーノ®は市販されていますし、ハイドロキノン配合の化粧品も出てきていますので、セルフケアで何とかできると考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、残念ながら、これらだけでシミを治療することはできません。

シミにはいろいろな種類があり、それぞれで効果的な治療が異なってくるからです。

まずは、シミの種類を見ていきます。

 

①老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

 

 

 

 

 

 

主に紫外線によるシミです。

境界がはっきりしており、大小様々な大きさがあります。

色の濃淡が多いもの、形が不整なものは皮膚癌の可能性もありますので、悪性の可能性がないことを確認してから治療にあたっています。

 

②そばかす(雀卵斑:じゃくらんはん)

 

 

 

 

 

 

10代の頃から頬や鼻のところに出てくる、遺伝的要素のあるタイプです。

小型で比較的大きさが揃っていて、夏に紫外線を浴びると色が濃くなります。

額や腕にも広がる場合があります。

 

③肝斑(かんぱん)

 

 

 

 

 

 

「くすみ」とも表現されることのある、モヤッとしたシミです。

主に頬骨のところに広がり、境界がはっきりしないことが多いです。

紫外線、摩擦刺激、女性ホルモン、ピル、ストレスなどの影響で悪化します。

化粧品を塗る時に擦らない、紫外線に気をつける、シミを隠そうとしてコンシーラーを叩き込まないなど、スキンケアやメイク習慣を見直すことだけでも改善が見込めます。

こちらの記事でチェックしてみて下さいね↓

キレイになるために今すぐ始めること、やめること

 

④炎症後色素沈着

 

 

 

 

 

 

ニキビや虫刺されやヤケドの跡、シミ取りレーザーの治療後など、一時的に茶色くなる変化です。

部位によって差はありますが、3ヶ月~1年程度で次第に消えていきます。

肝斑と同様、擦らないこと、紫外線に気をつけることが大切です。

 

⑤(医学的にはアザの仲間)後天性真皮メラノサイトーシス

頬骨や目周り、額などに灰青色の色素斑ができます。

これは、普通のシミよりも深いところにメラニンがあるため灰青色に見えるもので、蒙古斑などのアザと同じ仲間です。

レーザーで治すしか方法はなく、約3ヶ月ごとに5回前後の治療が必要になります。

シミ取りクリームやマイルドなピーリング、光治療では難しいです。

肝斑と合併することが多いですが、これはメイクで隠そう隠そうとしてコンシーラーを叩き込むことも原因と考えられます。

 

⑥(医学的にはイボの仲間)脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)

 

 

 

 

若い方には少ないですが、ご高齢の方の顔に多い、少し盛り上がったできものです。

①の老人性色素斑をベースに盛り上がってくることもあり、ときにシミよりもホクロに似ています。

これは保険診療として液体窒素をかけたり、表面を削るレーザーで除去したりします。

皮膚癌と見分けることがとても重要なできものです。

 

以上のうち、トラネキサム酸とハイドロキノンが有効なのは肝斑と炎症後色素沈着のみです。

これらはスキンケアとも密接に関わっています。

そばかすの場合は夏に紫外線で濃くなるので、「もとの濃さに戻す」という意味では有効かもしれません。

しかし、それ以外のシミ・アザ・イボについては、医療の介入が必要になってきます。

日焼け止めを塗ることは、のシミをこれ以上濃くしないため、のシミを早く薄くしていくために大切なことです。

 

スキンケア・セルフケアで何とか対応できるシミとできないシミがある、これを知るだけでも大きく違います。

その知識がないまま、「くすみ」を改善させようと擦ったり、レーザーしか治療の選択肢がないものを必死にメイクで隠すことで、かえっての肝斑を増やしているケースも非常に多いのです。

 

美容皮膚科の診察では、それぞれのシミがどれに該当するかを見極めながら、治療のプランを立てていきます。

当然、複数のシミが混じっている場合もあり、どの治療を優先するか、組み合わせの順番も考えていきます。

患者様のご希望もお聞きしながら決めていきますが、どんな点を重視して治療法を選んでいくことになるか、こちらの記事をご覧下さいね↓

シミ取り治療はレーザーだけではありません…選ぶポイントとは

 

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