美容皮膚科へ行く時に知っておきたい、メイク・服装・髪型・アクセサリーの予備知識
美容皮膚科へ行く時、どんな格好をして行かれますか?
美容室と同じで、オシャレをして出かけたいなと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、基本的には病院ですので「診療に支障が出ない」ということが最も大切です。
知っているようで知らない、知っていると役に立つ「美容皮膚科的TPO」について、日々の診療をしながら気付いた点を挙げてみますね。
【メイク・日焼け止め】
①カウンセリング
カウンセリングの際、クリニックにもよりますが、部分的なシミの診察であっても顔全部のメイク落としが必要な場合があります。
これは、顔全体のシミの分布を診ることにより、治療方針を立てるためです。
そこだけメイクを落とすと思って受診したら…とならないよう、念のためメイク用品を持参していきましょう。
基礎化粧品は用意している施設がほとんどです。
水しぶきが飛んでも大丈夫な素材の服が◎ですね。
②レーザー治療
レーザー治療といえば、シミ治療のようなピンポイント治療から、トーニング・ジェネシスなどフルフェイス治療までいろいろありますね。
顔のレーザー治療を受ける日は、軽めのメイクで行きましょう。
眉毛と日焼け止めくらいでしょうか。
濃いメイク、コンシーラー、ラメの入ったフェイスパウダーやアイシャドウは止めておきましょう。
これらの落とし残しがあると、レーザーの効果が落ちるばかりかヤケドのリスクも出てきます。
レーザーを当ててバチン!と大きな破裂音がする時は、メイクが残っています。(経験上、ラメが多いです。)
この場合、もう一度洗顔をお願いする場合があります。
治療当日は、ラメなしが◎です。
うっかりあるのが、首の日焼け止めです。
夏は首にも日焼け止めを塗ることが多いですが、洗顔時に落とし忘れますよね。
普通、首まで洗わないですから…
首の治療をする際は、ストールやマフラーを巻くなどして日焼け対策をして出かけるか、服を濡らす覚悟で日焼け止めを塗って行って洗顔時に落とすかですね。
石けんやお湯で落ちる日焼け止めの方が落としやすいです。
【瞼の治療(コンタクトレンズ、アイメイク)】
瞼の治療をする際は、レーザー光から目を守るために専用の保護コンタクトを目の中に挿入します。(異物感が出ないように点眼麻酔を使います。)
麻酔の持続時間は20分ほどと短いですが、治療後は目が腫れたり、まつ毛のキワが内出血したりすることもあるため(特にアイラインのアートメイク除去)、視力矯正のコンタクトは再装着せずメガネを持参していただくと安心です。
目が腫れぼったくなるため、帰りの運転も注意が必要です。
片目だけ治療した場合は、距離感が掴みづらくなるので気を付けましょう。
【メイク、日焼け止め】の項目で書いた通り、アイメイクはしないで来院していただく方がいいですが、できれば付けまつげやエクステもない方が助かります。
保護コンタクトを挿入する時に引っかかって取れてしまったり、アートメイク除去の際にレーザー光が当たって白くなる可能性があります。
目の周りは皮膚が薄くて血管が多いので、治療後の内出血や腫れは出るものと思っていた方がいいですね。
治療直後には大事な予定を入れないようにしましょう。
治療内容によりますが、1-2週間あればたいていは落ち着くと思います。
【ヘアスタイル】
シミ治療、脱毛、HIFU、さまざまありますが、基本的にベッドに横たわって施術します。
ボトックスやヒアルロン酸などの注入は起き上がった体勢で行うこともありますが、背もたれのあるベッドを起こして施術することが多いです。
ポニーテールは後頭部がゴロゴロして安定しないので避けるのが◎。
どうしても結んでいくなら、下の方でゆるーく結ぶか、治療時に外しましょう。
ちなみに私は、仕事の合間にボトックスを打っていただくことがあるのですが、まとめ髪をしているゆえ後頭部が不安定です。
背もたれを起こしている場合は頭の位置を多少は調整できますが、完全に横たわる施術ですと頭が動きやすいので気を付けましょう。
【服装】
脱毛は機種によりますが、HIFUやフォト治療(IPL)はジェルを使用します。
機器を当てるうちにジェルが広がっていくので、髪の生え際や首元までベトッとなります。
特にHIFUは、コース設定により顎下や首の治療も行うため、タートルネックは着ないでおきましょう。
服が伸びるかベトベトになります…
ピアスやネックレスも外しておきましょう。(ジェルまみれになると悲しいですよね。)
また、首のイボを取るレーザー治療を受ける際も、襟ぐりの大きい服の方が◎です。
レーザー治療の際は、照射部位を適宜濡らしながら削っていきます。
イボの数、大きさによっては局所麻酔(注射または塗り薬)を用いることもあります。
施設によりますが、治療後は軟膏を塗って保護することが多いです。
そのため、水分、血液、麻酔クリーム、軟膏(ワセリン)が服に付いてしまう可能性があります。
もちろん、治療する側の私たちも最大限気を付けているのですが、目と手が治療する部位に集中しているためどうしても周りに注意が行き届かないことがあって、申し訳ない思いをさせてしまうことがあるのです。
【アクセサリー】
主にシワ・たるみに用いられる治療機器にRF(高周波)があります。
サーマクール、テノール、GFR(イントラジェン)などがあります。
この機器は、アクセサリーなどの金属類を外す必要があります。
(ゆえに、ペースメーカーや金属プレート、金の糸があると施術できません。)
イオン導入も同様に、金属製品を外す必要があります。
ピアス、ネックレス、指輪、腕時計、ヘアアクセサリーなどが対象となります。
外し忘れ、紛失などを防ぐためにも、これらの治療をする際はアクセサリーを最小限にしていくといいですね。
以上、簡単ではありますが、美容皮膚科へ行く際の豆知識を挙げてみました。受診の際、参考になさってくださいね。
札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
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