男性が気にしている顔のお悩み3つ
男性の中には、美容皮膚科は女性のためのものと思っている方が少なくないようです。
外見を気にすることに抵抗がある方もいらっしゃいますね。
しかし、実際は男性の患者様も数多く治療に訪れています。
この記事では、皮膚科外来でご相談を受けることの多いものを3つご紹介します。
①シミ・イボ
50代以降の男性ですと、顔の側面(こめかみ~耳の前~顎)を中心に茶色のできものがたくさんできていることがあります。
これは、シミをベースに盛り上がっている良性のイボですが、治療で取り除くことができます。
治療法はいくつかありますが、一般的な皮膚科であれば保険診療で対応できますし、早くより綺麗に治したい場合はレーザーで削る治療もあります。
一方、平たいシミ(盛り上がっていない)は保険診療での対応が難しく、自由診療で塗り薬やシミ取りレーザーなどの対象になります。
イボやシミは若い頃から紫外線対策をしていないと増えてきます。
多くの男性は日焼け止めを塗る習慣がありませんので、年齢に伴ってシミやイボが増える一方です。
治療中・治療後も日焼け止めを塗ることが大切ですね。
なお、シミ・イボ・ほくろだと思ったら癌だったということもありますので、皮膚科専門医のもとで診察を受けることをお勧めします。
②脱毛
男性は顔の脱毛を希望される方が多いです。
毎日の面倒臭さから解放されたい方、毛深いのが悩みという方もいますが、病気の治療の1つとして脱毛を選ばれる方もいます。
というのも、髭剃りでニキビやアトピー性皮膚炎が悪化してしまうからなんですね。
営業など対面の仕事をされている方は毎日髭を剃るのが当たり前で、無精髭はだらしない印象を与えてしまいます。
しかし、敏感肌ゆえに髭剃りシェーバーやクリームにかぶれてしまったり、皮膚を毎日傷つけることで症状をこじらせてしまう場合も多いんですね。
細かい傷がつくことで毛穴の炎症も悪化してしまいます。
男性の顎のニキビは治りにくく、跡が残りやすい場所です。
脱毛のためにレーザーや光を当てるとニキビの菌が減ることもあります。
顎の皮膚炎やニキビにお悩みの方は脱毛をするというのも1つの方法です。
脱毛の程度についてですが、髭剃りをしなくていいほどツルツルにしたい方、ちょっと数を減らしたい方、いろいろです。
鼻のチョビ髭は残したいとか、デザインのリクエストにもお応えできます。
脱毛レーザーは毛の黒さに反応して効果を出すので、白髪になってしまうと難しいです。
(脱毛は「毛を作る細胞を壊す」という医療行為ですので、ご注意下さい。
エステサロンで同様のことを行うのは違法ですし、中途半端な機械で出力を上げてヤケドを起こしたというケースが後を絶たないです。)
③ニキビ跡
男性は頬や顎のニキビが悪化して傷跡として残ってしまうことも多いです。
ニキビ跡は完全に消し去ることが難しいので、普段の治療でひどくならないようにケアすることが大切です。
男性ではやはり髭剃りや喫煙、潰してしまうなどが傷跡の原因になります。
ニキビは死ぬ病気ではありませんが、傷跡が将来的に悩みの種になりますので、きちんと薬を塗りながら美容の治療も取り入れるといいですね。
レーザーや針の治療など、クリニックによっていろいろあります。
【番外編】男性型脱毛症
ジェネリックも含め、飲み薬の種類が増えました。
6-12ヶ月は飲み続けなければならず、「進行を予防する」ことが大きな目的ですが、男性からのニーズは高いです。
ただし、まれに肝機能障害が出る場合があるのと、前立腺がんの腫瘍マーカー(PSA)の値が半分くらいになるために前立腺がんが見逃される可能性があります。
飲んでいる事実を隠したい気持ちはわかりますが、病院ではきちんと申告しましょう。
男性が美容治療を受けるのは「女々しい」とか「見た目を気にするなんてチャラチャラしている」というイメージがあるかもしれませんが、実際に受診されるのは真面目でしっかりした方ばかりです。
最近では仕事でSNS上に顔を出す場合も多いですし、社会的な立場が上がって身だしなみの1つとして顔に気を配り始める方も。
男性が顔に気を遣うことは、決して恥ずかしいことじゃないです。
見た目が若返ると心も若返るというデータがあります。
毎日鏡を見るのですから当然ですよね。
1人で受診するのに勇気がいる方は、奥様と一緒にいらっしゃるのも手だと思います。
男性も美容皮膚科を受診して大丈夫ですのでご安心下さいね。
■ニキビが悪化してしまう原因については、こちらに書いています↓
札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
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