知らなかったら無防備な肌に!日焼け止めの正しい知識と使い方
■日焼け止めは塗り直しが大切
SPFという数値のもともとの意味、ご存じでしょうか。
紫外線B波(UVB)が皮膚に当たった時に皮膚が赤くなり始める時間をどのくらい遅らせることができるか、という指標です。
残念ながら「シミを予防する」とは別物です。
皮膚の表面は皮脂や汗が出るために、実際には日焼け止めの効果は少しずつ薄れていきます。
2-3時間ごとに塗りなおすのが理想なので、ランチで外へ出る前にお化粧直しするといいですね。
ただし正しい付け方をしないと、十分な効果が得られません。
薄く重ねた場合は効果が十分に出ませんので、クリームタイプだとお顔全体でパール2粒分を目安にしましょう。
SPF15の下地+SPF15のファンデーションでSPF30の効果を出せるわけではありません。
SPF30の日焼け止めを推奨量の25%しか塗らない場合、期待できるSPFは2.3…Tシャツ(SPF5相当)以下だという報告もあります。
「SPF50+の化粧下地を朝に薄く塗って、夕方までそのまま」というのは全く効果が期待できません。
むしろSPF50+を塗ったという過信から、かえって日に焼けてしまっている方が多いのです。
普段からSPF50+を使う必要はありません。
数字よりも、正しい量で塗り直すことが大切です。
ファンデーションにも日焼け止めは入っていますが、日焼け止めパウダーを使うと効果が高いですのでぜひお試しください。
リキッド派の方は色付き日焼け止め(BBクリーム)を使うといいですね。
■日焼け止めを塗り忘れやすい場所とは
首やデコルテにも塗ることは常識になりつつありますが、忘れやすいのが耳とまぶたです。
耳は親指、人差し指、中指で耳たぶをつまむように塗るとうまく行きます。
まぶたは皮膚が薄いので、強い日差しを浴びると腫れやすい場所ですし、上まぶたのシミは結構多いです。
眉毛の下から二重の線の上(アイホールの部分)にも日焼け止めを塗り直す習慣をつけるといいですね。
南国に行かれる方は、アイメイクを我慢してまぶた全体に何度も日焼け止めを塗り直した方が賢明です。
ただし、塗る時は擦りこまないように、優しく乗せて伸ばすようにして下さいね。
皮膚の薄いところは、こするだけでも刺激になって腫れやすくなります。
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札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
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