キレイになるために今すぐ始めること、やめること
「キレイになりたいけど、何から始めていいかわからなくて…」 という方、多いのではないでしょうか。
まず今日からできることって…
アンチエイジング化粧品を一式揃えてみることでしょうか?
それとも、美容皮膚科を予約することでしょうか?
化粧品は、何を使うかよりもどう使うかの方が大事ですし、美容皮膚科を受診する前に知っておいていただきたいことがあるんですよね。
私はこの公式コラムの他にアメブロを書いているのですが、もともとはアメリカ在住時にお友達のお悩み相談から始まりました。
質問の中には、「そう!それ、よく誤解されてるんだけど、 ホントはダメなんだよー!」というものもあり、そんなことを綴って来ました。
その中から反響の大きかったものを再編集して、このサイトに書いています。
私は美容皮膚科を仕事にしていますが、美容皮膚科治療「だけ」をご提案すればいいとは思っていません。
やはり自宅での正しいケアが大切ですし、その上での治療であると考えています。
月に1回、美容皮膚科で治療を受けたとしても、残りの29日が間違いだらけのスキンケアなら効果が十分に出せないからです。
むしろ、「月1回お手入れしてもらってるから」という油断から自宅でのケアを蔑ろにしてしまう危険性も…。
(「日焼け止め塗ってないけど、シミができたら美容皮膚科で取ってもらうからいいんだー」というような考え方が、その典型ですよね。)
お金も時間も十分過ぎるほどにあるのならそれも1つのポリシーなのかもしれませんが、そんな方は稀だと思います。
治療をさせていただく側も、効果が出て欲しいと思って日々工夫していますので、自宅での間違ったケアで治療が無駄になってしまうのは、とても残念なんです。
自宅でのケアが大切といっても、「高いお金をかけて〇〇を買って下さい」ということではありません。
こすらないとか、パッティングしないとか、洗い過ぎないとか。
日焼け止めをこまめに塗りましょうとか。
○○は医学的に良くないからやめましょうとか。
大きなお金も時間もかからず、ほんの少しの「継続した意識」で改善できることばかりです。
(日焼け止め代は今までよりも多くかかっちゃいますが。)
何も特別なことではなく、基本的なことの積み重ねなんですが、ここを知らずに迷走してしまう方がとても多いんですよね。
化粧品を一式買い揃えても、叩き込んで使っていたら意味がないですし、間違ったスキンケアだらけで治療を受けてもやっぱり限界があります。
そして、自宅でのケアを見直すためには「自宅ではできないこと」を知る必要があるんですね。
これはたとえ話ですが、ブラウスやカットソーを自宅で手洗いされる方は多いと思います。
しかし、ムートンコートを自宅で洗おうと思う方はいませんよね。
やはりプロの手であるクリーニング屋さんの手が必要になってきます。
ここを大きく間違わずにできるのは、洗濯表示や長年の経験から、自宅での手洗いOK/NGの判断がご自分でできるからですよね。
実は肌に関しても同じで、自宅でできることとできないことをきちんと線引きすることが大切なんです。
自宅でできないことを自力でなんとかしようと頑張っても、大きなエネルギーの無駄遣いになってしまうことが多いのです。
それだけならまだしも、良かれと思って努力していたことが医学的には良くないことだったとしたら…
それを知った時のショックは、計り知れないものになりますよね。
自宅でできることといえば、
①こすらない (シミの一種である肝斑や赤ら顔を作らない)
②紫外線対策をする (シミ、シワ、たるみを予防する)
③洗いすぎない・保湿 (乾燥による小じわを作らない)
これに尽きると思います。
「もっとあれこれできることないんですか?」という声が聞こえてきそうなのですが…
案外これ、難しいんですね。
例えば①。
こすらないって書いていますが…
「くすみ(往々にして肝斑だったりします)」を取ろうとしてゴシゴシマッサージをしたり、化粧水を奥へ入れようとしてパッティング(叩き込む)したり、シミを隠そうとしてコンシーラーをすり込んだり…
そんなことはしていませんか?
③でいうと、乾燥肌が気になるからとカバー力の高いリキッドファンデを使い、強いメイク落としじゃないと落ちないからとオイルクレンジングを使うことで、皮膚の保湿成分が大量に奪われて激しく乾燥してしまっている…とか。
思い当たること、ありませんか?
①〜③のポイントですが、よくよく見てみると「○○しない」が多いですね。
そして、摩擦刺激や紫外線、乾燥から「肌を守る」ことに重点があるのにお気づきですか?
自宅でできることは、「肌を今の状態から悪くしない」「光老化を食い止める」(プラス、ここには書いていませんが食事も)というように、「守る」ことに意識を向けるべきなんですね。
それ以上のこと、例えばシミを取りたいとか、大きなシワやたるみを改善したいとか、ニキビ跡を目立たなくしたいとか、そういったことは「攻め」の美容であり医療の範囲になってきます。
この線引きができないと、いつまでも不毛に悩み続けることになります。
そして、「やってはいけないこと」に手を出してしまい、医学的にみると「それ、ダメだよ!」ということを延々と頑張ってしまうことになるんですね。
また、自分のお悩みがどれに該当するのかを知ることも大切です。
一口にシワといってもいろんな種類があり、それぞれに対策が違うんです。
治療の良さを生かすためには、自宅でのスキンケアも同じくらい大切だと思っています。
ここを侮ってはいけないんですね。
人によっては腰を抜かすくらい、自宅でのスキンケアポイントはシンプルです。
しかし、「欲張ってしまう」方はシンプルに徹することが難しいんですね。
自宅でできないことはプロ(医療)に委ねる、手放すという選択も必要です。
その方が精神的に楽になることも多く、自分のすべきことがクリアになってくるからです。
このブログでは、あなたが日々何に気を付けたらいいか、そのコツをお伝えしています。
自宅でのスキンケアを見直すきっかけにして下さいね。
■記事の中に出てきた食事については、こちらの記事に書いています↓
■化粧品は「何を」使うか以上に「どう」使うかが大切だという内容はこちらから↓
札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
この記事へのコメントはありません。