日焼け止めの塗り直しについて
日焼け止めの数値の見方や使い方については広く知られていないことが多く、「SPF50を朝に塗ったので一日中大丈夫」と思っている方がたくさんいらっしゃいます。
そして、ドラッグストアなどに並ぶ日焼け止めの中からどれを選んだらよいか分からないという方も多いです。
そんな方は、こちらの記事をご覧になってみてくださいね。
日焼け止めは汗・皮脂・マスクの摩擦などで時間とともに取れてしまうため、2-3時間ごとに塗り直すことが必要です。
当院でも日焼け止めは扱っており、それぞれの用途・ニーズに合わせてご案内しております。(診察がなくても購入できます。)
現在のラインナップですが、色付き・色なし・紫外線吸収剤フリー(敏感肌の方にお勧め)・石けんで落とせる(ダブル洗顔不要)・ウォータープルーフなど様々です。
パウダータイプがお好みの方にはビューティフルスキンをご案内しております。
特に、ニキビに悩まれる方には毛穴に詰まりづらいパウダータイプをお勧めしております。
ノンUVミネラルパウダーは白い粉で、首や腕などにサラッとお使いいただけます。服の襟元がベトベトしないのが個人的にとても嬉しいです。
(クリームタイプの日焼け止めの場合、生地に付くと油染みのようになってしまうことがあり、使いづらかったのです。)
ノンUVミネラルパウダーを顔に塗ると白っぽくなるのは否めないため、お好みが分かれると思います。
顔のお化粧直し兼日焼け止めの塗り直しとしてはミネラルファンデーションをお使いになるのも一つです。
*以前は、サンプロテクションというほんのり肌色のついた日焼け止めパウダーがあったのですが、少し前に白色タイプのノンUVミネラルパウダーに切り替わりました。
セルニュープラスとナビジョンDRは色付きタイプなので、主に顔用です。石けんで落とせる・落とせないの違いがあり、ナビジョンDRの方がより汗・皮脂に強いです。
セルニュープラスは石けんで落とせるBBクリームなので非常に便利です。(BBクリーム≒色付き日焼け止め)
石けんで落とせるBBクリームはそう多くなく、他社製品はベトベト(ぬるぬる?)感があって好きになれなかったのですが、セルニュープラスはベトつきが少なく使いやすいです。
主にボディ用としてはNOVとプラスリストアの日焼け止めをご案内しております。
屋外でのスポーツなど紫外線の影響が大きい場合は、SPF50+でウォータープルーフのプラスリストアUVローションが使いやすいです。
普通の石けんでは落ちないため、メイクも落とせる石けんがあると便利で、ボディを洗うなら泡がポンプで出てくるタイプが時短でお勧めです。(プラスリストア・クレンジングソープ泡)
NOVシリーズは石けんで落とせるので、メイク落としを持っていないお子さまや男性に使っていただければと思い採用しました。
(そして個人的な意見ですが、あまりにも価格が高い日焼け止めの場合、すごく薄づきになってしまったり塗り直しが少なくなったりする傾向があるため、質がよくて続けやすい価格帯のものをご用意しました。2,000円~4,000円台で買っていただけるものを揃えております。)
一年中ずっと同じ日焼け止めを使い続ける必要はなく、TPOに応じて季節やライフスタイルと相談しながら決めていただければと思います。
日常使いであればSPF30程度のものを2-3時間ごとに塗り直せばいいですし、炎天下でのスポーツやレジャーの時はSPF50のウォータープルーフをしっかり塗り直すのがよいと思います。
*SPF30と50についての解説は、冒頭でご紹介した「知らなかったら…」の記事をお読みください。
ここで、外来でいただいたご質問をご紹介します。「日焼け止めの塗り直し」という言葉は聞くものの、実際にどうしたらよいか分からなかったそうなんです。
もう一度洗顔して日焼け止め下地からやり直すものだと思っている女性が案外多くて驚いたのですが、そうお考えだとしたら「日焼け止めの塗り直しは絶対無理!」となりますよね。
今は日焼け止めパウダーをはじめとした便利な製品が出てきていますので、上手に活用していきましょう。
最後に余談ですが、飲む日焼け止めと呼ばれるものには主に抗酸化剤が入っていて、紫外線を浴びた体から生じる活性酸素にアプローチして「体が錆びつかないようにする」製品です。
しかしながら、皮膚に紫外線が侵入するのを直接ブロックするわけではありませんので、塗る日焼け止めの補助という位置づけです。
そんなお話を外来でするのですが、どうしてもネーミングのインパクトが大きいため「飲む日焼け止めを飲んだら安心してしまって、十分に塗らなかった」という患者様もちらほら…
こういったことが今まであったため、当院では「飲む日焼け止め」と名のついたものは現在扱っておらず、その代わりにビタミンのサプリメントなどを取り扱っております。
まずはしっかり塗り直すという習慣を意識づけていただければと思います。
札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
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