赤み治療(酒さ・にきび跡・毛細血管拡張)ノーリスを導入しました

ダウンタイムが少ない治療

こんにちは。

札幌市厚別区新札幌の皮膚科・美容皮膚科「さとこ皮膚科・美容クリニック」です。

このたび、赤み治療機器であるノーリス(Nordlys)を導入しました。

IPL(Intense Pulsed Light)と呼ばれる機器で、幅広い波長を含む光を顔に照射することで酒さやニキビ跡といった赤み、毛細血管拡張に効果があります。また、光熱作用により毛穴や小じわといった肌の質感のお悩みにもアプローチします。

赤み治療に関しては、導入した理由だけでなく「今まで導入しなかった理由」もお伝えしたいので、先にそちらのお話をさせてください。

今や多くのクリニックで赤み治療の機器を導入していますが、皮膚科専門医にとって最も難しい領域の1つが「顔の赤みの診断と治療」です。

なぜなら、顔が赤くなる原因としては様々なものがあるからです。

たとえば、

①皮膚炎・・・アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎(かぶれ)、脂漏性皮膚炎など「顔が赤く痒くなり、時折ガサガサする症状」が主な疾患

②感染症・・・丹毒と呼ばれる皮膚の感染症(耳掃除や鼻をいじりすぎた時などに起こりやすいです)

③毛穴や皮脂腺に関する疾患・・・ニキビ、ニキビ跡の赤み、酒さ(赤ら顔)など

④膠原病・・・全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎など顔の赤みが特徴的な自己免疫疾患

というように、複数のカテゴリーの疾患が想定されます。

そして、外用薬の不適切使用による副作用として赤ら顔が出ることもあります(酒さ様皮膚炎)。

これらが同時に顔に存在することもあれば、時の経過とともに刻々と変わることもあります。

アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎と酒さが混じる人がいますし、ニキビで悩んでいた女性が後に膠原病を発症することもあります。

もっと極端なことをいえば、予約時間に遅れそうだからと炎天下の日に走って来院されてVISIA(画像診断機器)を撮影すれば顔が真っ赤になって映りますし(実際にそういう患者様が過去にいらっしゃいました)、ニキビ治療薬であるベピオウォッシュゲル®などを使えば最初の1か月は赤みが出やすい状態になります。

長期的にも短期的にも赤みの状態は変わりやすく、点ではなく線で経過を追っていく必要があり、美容面だけでなく疾患をはらんでいる可能性を常に考えなければなりません。

皮膚科ではその時々の症状を見てどの疾患がメインなのかを判断し、薬を調整しながら治療にあたっていますが、一筋縄ではいかないことも多いです。

学会などでたくさんの先生方とお話しすることがありますが、顔の赤みに関してはほとんどの先生が「診断治療が難しい」とおっしゃいます。それは、上記のようなことをどの先生方も感じていらっしゃるからだと思います。

当院は開院して4年が経ちますが、これまで赤みの治療機器の導入は見送ってきました。

それは、顔の赤みの多くは保険診療で対応する疾患カテゴリーであり、機器ですべてを解決できるわけではないからです。

そして、どこまでが保険診療で解決でき、どこから先が難しいのか、その見極めもとても大切だと感じていたからです。

私が開院した2022年7月の数カ月前に、酒さ(赤ら顔)の治療薬としてロゼックスゲル®が発売されました。

それまでは決め手となる外用薬を保険処方では出せず、ひたすらお化粧を控えて我慢してもらうことも多かった疾患です。

ロゼックスゲル®が処方できるようになってから、酒さの治療は大きく進歩しました。

そしてロゼックスゲル®以外の選択肢として、アゼライン酸配合クリームのAZAクリア®やイベルメクチンクリーム(いずれも保険適応外)も導入してきましたが、これらを扱っている施設が限られるため、必然的に当院での酒さ治療の件数は増えていきました。

【ニキビ・赤ら顔に】アゼライン酸化粧品・AZAクリアのご紹介

酒さ治療薬イベルメクチンクリームの取り扱いを開始しました

こうして様々な選択肢を用いて多くの酒さ治療の病勢コントロールが可能になりましたが、一方で「最後まで顔に残る平たい赤みがどうしても取れない」というお悩みも多く扱うようになり、治療の限界を感じることも増えました。

どこまでを機器なしで治療できて、どこからが難しいのか・・・ある程度の人数の患者様の年単位での経過を追いながら、線引きがようやくできるようになったのがここ最近だと感じています。

そんなタイミングで満を持しての導入となりました。

 

上記のように、顔の赤みには様々な種類があり、また時とともに変化します。

そのため、赤みのお悩み全てを機器で解決するのは難しい点をあらかじめご了承いただければと思いますし、明らかに保険診療が適応な場合は保険診療を優先して治療します。

そして誤解のないようにお伝えしておきたいのですが、たとえば「アトピー性皮膚炎で顔が赤くて痒い人が機器治療を受けてはいけないか?意味がないか?」というと、医学的適応がないわけではありません。

アトピー性皮膚炎を長年患っている方は、色素沈着や炎症後紅斑といった「くすみ・赤み」のお悩みを抱えていることが多いです。また、長期にわたるステロイド外用薬の副作用で血管が拡張して目立っていることがあります。

光治療をすることで肌のターンオーバーを促し、くすみや赤み・血管拡張を目立たなくすることは意味のあることだと考えています。ただ、皮膚炎自体の赤みは保険診療の外用薬が必要なので、機器だけで全てを解決することは難しいということです。

前置きが長くなりましたが、今回導入したノーリスの特徴をお伝えしたいと思います。

ノーリスは、幅広い波長を含んだ光を照射するIPLと呼ばれる機器の1つです。

単一の波長を照射するレーザーとは違い、複数のお悩みにアプローチできる点がメリットです。

他のIPLと違うところですが、照射時に冷却が不要なため血管が開いた状態で照射することにより効率的に血管にアプローチします。

一度ですべてを解決させる手法ではなく、面で全体的に少しずつ改善させていく治療となります。シールを貼るようなダウンタイムがないため、美容治療が初めての方にも受けやすい治療です。

メインでは顔の赤みに対して使いますが、シミが混じっている方にも照射できます。また、ニキビ・ニキビ跡の赤みやケロイドにも使うことができます。

ニキビが治った後の赤み(炎症後紅斑)は1年近く残ることもありますが、これを「化膿したニキビ」だと思って延々と抗生剤の塗り薬を塗っている人がいます。これは残念ながら効果がありません。

ニキビの炎症後紅斑を放っておくと深いニキビ跡を残してしまうことが分かってきているので、ベピオ®シリーズやエピデュオゲル®、ディフェリンゲル®といったメンテナンスの治療薬が必要なのですが、赤みが消えるまでに時間がかかることから諦めてしまう人も少なくありません。

機器治療を併用することで赤み改善を実感してもらい、ニキビ治療継続へのモチベーションを保っていただきたいと考えています。

また、重症なニキビに対してはイソトレチノイン内服(保険適応外)を導入してきましたが、「ニキビはよくなったが赤みが強く残っている」というお声も多くなってきたため、順次ご提案していく予定です。

イソトレチノインについてはこちらの記事もご覧ください。

【難治性ニキビ治療薬】イソトレチノインを導入しました

そしてケロイドですが、従来から保険診療の定番だったエクラープラスター®、ドレニゾンテープ®などの外用薬が販売中止になってしまったり、ケナコルト®注射が出荷調整により手に入らなくなってしまったり、診療の手立てが少なくなってきてしまいました。

機器治療は自費になりますが、ケロイドで悩む方の一助になればとも考えています。

ノーリスは、保険診療を手助けする有力な機器だと感じています。

顔の赤みでお悩みの方は、まず保険診療でお越しください。自費診療の適応がある方にノーリスのご案内をさせていただきます。

 

【症例紹介】

導入を検討するにあたり何人かの患者様にご協力いただき、モニターとなっていただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。経過をご紹介したいと思います。

酒さの70代女性です。若いころから「赤ら顔」に悩み、複数の皮膚科で治療を受けてきました。アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、酒さ、など複数の疾患の外用薬を使用してきましたが、敏感肌で合わない化粧品も多く、顔の赤みには長年悩まされてきたということです。

当院でノーリスを1回受けた経過です。

頬の赤みや鼻周りの毛細血管がかなり改善しました。

酒さは紫外線、ストレス、温度変化、花粉、辛い食べ物など様々な要素で悪化する疾患ですので、一度治療しても再び出てくることが予想されます。

悪化因子に気を付け、適切なスキンケアを続けていただくことで長期コントロールを目指します。

今後もノーリスの治療を継続していく予定です。

2例目は、ニキビ跡の赤みが気になるという20代男性です。ニキビ治療は保険診療での改善が難しく、イソトレチノインを飲み始めたところでした。

ノーリスを1回受けニキビ跡の赤み(平らな赤み)は改善しましたが、他の部位にニキビが増えています。

ニキビ跡の赤みで悩む方は多いのですが、ニキビ治療を継続することで新たなニキビ跡の発生を抑えていくことが大切です。

最後に、毛細血管拡張の症例です。

これは40代である私(院長)ですが、照射直後から鼻周りの毛細血管拡張が改善しました。

毛細血管は一度治療してもまた出てくることが多いので、ある程度目立ってきたらまとめて治療するとよいと思います。

 

治療の概要は以下の通りです。トライアル料金もありますので、気になる方は一度試していただければと思います。

初診料 3,300円 再診料 1,100円 画像診断料 2,200円(希望時:初回)

【ノーリスによる光治療】治療部位にジェルを塗り、光を照射します。施術後にこもった熱や炎症を早く鎮めるためにエレクトロポレーションの同日併用もご案内しています。

初回トライアル  両頬のみ 11,000円

全顔       1回 22,000円  5回 88,000円 (17,600円/回)

両頬のみ     1回 16,500円  5回 66,000円 (13,200円/回)

鼻の毛細血管拡張 1回 9,900円 (単発のみ)

ケロイド治療 25cm2以内 11,000円/回 複数回の治療が必要です。

 

【エレクトロポレーション ※他施術併用は全顔・両頬のノーリスに適用

レナトスTAプラス トラネキサム酸(美白)・ビタミンC(ニキビ・毛穴)・ヒアルロン酸(ハリ・ツヤ・保湿) 他施術併用 1回 7,920円 5回 30,900円(6,180円/回)

※このほか、ペップビューもあります。

 

治療が受けられない方・禁忌

下記の病気や症状がある方、下記薬剤の使用中の方は治療を受けられません。

・ペースメーカーや植え込み式除細動器を使用中、重篤な心疾患に罹患

・糖尿病などの内分泌疾患に罹患しており、創傷治癒に障害がある

・免疫抑制を引き起こす疾患、免疫抑制剤使用中

・出血性疾患に罹患、抗凝固薬を内服中

・妊娠中、またその可能性がある

・ケロイド体質

・発熱している・全身状態が芳しくない

・光過敏性発作・光線過敏症に関連した疾患に罹患・既往

・光過敏症を誘発する薬剤・外用薬・サプリメントを使用中

 

治療を行えない部位

・シリコンや金属プレート等の人工物を埋め込んでいる

・感染性の皮膚疾患又は、切開創・開放創・炎症・化膿がある

・悪性腫瘍直上、単純ヘルペス1型、2型の活動病変上

・2週間以内の強い日焼け部位

・刺青・アートメイク上

 

治療経過と注意点

・治療開始前に日焼け止め等を取り除き、皮膚を清潔な状態にして頂きます。日焼け止め等の成分が皮膚に残っていると、熱傷の原因になります。

・治療前4時間は喫煙を控えてください。血管収縮により効果に差が出現する可能性があります。

・照射後、皮膚は軽い熱傷(赤みや腫れ)を起こしている状態になりますが、2週間程度で治まります。

・治療直後から翌日に、紫斑を伴う場合がありますが、7日から10日前後で消失します。その後照射部位は一時的に色が濃くなることもありますが、数ヶ月で消失します。

・痒みが出る場合がありますが、掻かないようにしてください。掻いて皮膚を刺激することで色素沈着を起こす原因となります。

・治療部位の状態によっては照射直後から1週間程度はワセリン等の軟膏を塗布する場合があります。治療後のケアについては個別に説明をいたします。

・紫外線への暴露は一過性の色素沈着等を引き起こす可能性があります。治療中は日焼け止め(SPF30以上)等を使用して日焼けをしないようにしてください。

・症状により治療回数は異なりますが、治療を重ねることで徐々に血管が目立たなくなり、色素が薄くなっていきます。

※IPLの光による皮膚良性血管病変の治療は、症状により治療方法、治療期間が異なることをご理解ください。

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