塗り薬、基礎化粧品、日焼け止めやファンデーションを塗る順番は?
こんにちは。
札幌市厚別区新札幌の皮膚科・美容皮膚科「さとこ皮膚科・美容クリニック」です。
外来でよくいただくご質問として、顔の塗り薬(外用薬)を処方した時に、「先生、メイクをしても大丈夫ですか?」「塗り薬と日焼け止め(あるいは化粧品)、どちらを先に塗ったらいいですか?」というのものがあります。
特に女性の方はお悩みかと思います。
この記事では、塗る順番を解説するとともに気を付けるべきポイントをお伝えします。
保湿剤と外用薬、どちらが先?
皮膚科の保険診療領域でも話題になるテーマです。
効果としては、どちらが先でも大きく違いはないと言われています。
しかしながら、保湿剤を顔全体に先に塗ってから患部に外用薬を塗る方法を推奨している先生が多いです。
理由は、先に外用薬を塗ってしまうと保湿剤を塗り広げる時に薬が不用意に広がってしまう可能性があるからです。
たとえばアトピー性皮膚炎で使われる非ステロイド薬のプロトピック®(タクロリムス)軟膏は、正常皮膚からは吸収されずに病変部のみから吸収される特徴を持っています。
しかし、かぶれや痒みなどで一般的によく使われるステロイド外用薬は、塗った部分全体から吸収されます。
このため、知らず知らずのうちに正常皮膚に薬がつくことを防ぐためにも、先にスキンケア(基礎化粧品や保湿剤)をしてから患部に外用薬を塗る方がやりやすいと思います。
首から下はこれで問題ありません。
しかし、顔はメイクをする場所ですので、外用薬と日焼け止め・メイクアップ製品はどうしたらいいのかという疑問が生じますよね。
外用薬と日焼け止め・メイクはどちらが先?
薬が広がらないことを考えると、外用薬が一番最後のほうがいいはずです。
しかし、日焼け止めやファンデーションを塗ってしまうと患部が塞がれてしまうため、薬の吸収が落ちてしまいます。
外用薬を先に塗って、それから日焼け止めやファンデーションをつけましょう。
この時も、指先やファンデーションのパフについた外用薬が不用意に広がることに注意し、患部は最後に塗るようにしましょう。
虫よけスプレーは最後に
虫よけスプレーは、最後に塗ります。
虫よけスプレーは揮発性(蒸発する)成分が効力を発揮するからです。
手にスプレーしてから顔に塗ると、スプレーが目に入るのを防ぐことができます。
以上を図にしてまとめました。

アイテムごとの塗る順番をまとめたものがこちらです。

ところで、皮膚科の外用薬にはいろいろなタイプ(剤形)があります。
それぞれの特徴も見てみましょう。(このほかにシャンプーやゲルもあるのですが、代表的な3タイプに絞ってまとめます。)

顔は、メイクのことを考えればローションやクリームタイプが塗りやすいのですが、汁が出ている場合はしみて使えないこともあり、ワセリンベースの軟膏タイプが適しています。
時と場合によって変わりますが、同じ効果が見込めるのであればなるべく続けやすい剤形を選べたらと思います。
夏場は軟膏タイプだとあせもやニキビが出やすいのでローションタイプを選ぶこともあります。ただし、伸びがよくて薄づきになりやすいので治療効果の判定には注意が必要です。
このように、皮膚科専門医は様々なことを考えながら処方をしています。今回の記事を通してその一部を見ていただければ幸いです。
ちなみに、肌荒れをしている時にメイクをしていいのか?というご質問にはこちらの記事で回答していますのでご覧ください。

札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
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