「夏はシミ取りレーザー治療がダメ」と言われる理由
こんにちは。
札幌市厚別区新札幌の皮膚科・美容皮膚科「さとこ皮膚科・美容クリニック」です。
この時期になると、「夏にシミ治療をしてはいけないのでしょうか?」というご質問を多くいただくようになります。
結論は「人による」のですが、どういった要素を考える必要があるのかを解説します。
まず、なぜ「夏にシミ治療をしてはいけない」と言われるのかですが、治療後に色素沈着を起こす確率が高くなるからです。
一般的なシミ取りレーザー治療後の経過を書いた模式図です。
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シミ取りレーザーにはいろいろ種類がありますが、一回で色素を取ることを目指す機器・設定で照射を行うと、切れ味は鋭いですが炎症後色素沈着も出やすくなります。
模式図の山の高さ(=炎症後色素沈着の度合い)には個人差があり、図の赤字のような条件が重なると山が高くなりやすいです。(治療後1か月あたりに最も色素が濃くなり、その後徐々に薄くなっていきます。)
夏は紫外線の影響が大きいため、対策が上手にできない方(特に男性や屋外スポーツを好まれる方)は山が高くなる傾向にあります。
山が高くなるということは、もとのシミよりも一旦濃くなる可能性があるということです。
これは、「シミ取りレーザーで失敗した」「治療後かえって濃くなった」と言われる誤解のもとでもあります。
こちらのコラムでも解説していますので、もっと詳しく知りたい方はご覧になってみてください。
また、シミ取りレーザー治療後は2週間ほど保護テープを貼るのですが(施設によってはワセリン+絆創膏)、汗をかくと痒くなる・テープが剥がれやすい・ワセリンがベトベトして気持ち悪いなどの問題が起こりやすいため術後管理の面からも夏は難しいケースがあります。
夏もオフィス中心の生活で通勤も短時間、スポーツもほとんどしないような場合は紫外線の影響が小さいので、シミ取りレーザーを通常通り行うことが可能です。
一方で、ガーデニングが趣味、お子さんの少年団で週末は一日中外にいる、ゴルフが趣味、という場合には完全な紫外線防御が難しいでしょうから、夏に攻め込んだシミ治療をするのは避けた方が無難です。
炎症後色素沈着はシミ取りレーザーに限ったことではなく、イボ取り治療の液体窒素や炭酸ガスレーザー(削る治療)でも起こり得ます。
また、外用薬のシミ治療も紫外線を避ける必要があります。
紫外線・汗の影響が大きい夏には生活習慣のヒアリングが欠かせず、すぐにシミ取りレーザーができるかは「人による」理由がお分かりいただけたかと思います。
色素沈着を抑えるためにはトラネキサム酸に代表される内服薬やハイドロキノンなどの外用薬を用いるのが代表的です。また、エレクトロポレーションなどの施術で美白成分を肌に直接導入することもご提案します。
そして、摩擦を避ける、日焼け止めの塗り直しなどスキンケア指導を行います。
夏はこうした守りのケアに徹していただき、秋以降にシミ治療をするほうが経過が順調にいく場合もあります。
体質的にくすみやすい方(ニキビや虫刺されの跡が茶色く残りやすい方)はレーザー治療と並行して内服薬や外用薬を使用していただくことをお勧めします。
余談ですが、色素沈着のリスクを抑えつつ治療回数をかけながら少しずつシミを薄くしていくレーザー治療もあります。どの方法がいいのかはシミの分布も考慮して決定します。
一概に「夏のシミ治療はNG」とは言えませんが、ご自身の生活習慣などと照らし合わせてベストなタイミングを見つけて行けたらと思います。
シミ治療のご相談は、お電話でご予約をお取りしています。診療時間内に011-807-0178までお電話ください。(木曜・土曜は午前のみ、日曜・祝日は休診です。)
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札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
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