酒さ治療薬イベルメクチンクリームの取り扱いを開始しました
こんにちは。
札幌市厚別区新札幌の皮膚科・美容皮膚科「さとこ皮膚科・美容クリニック」です。
このたび、酒さ(赤ら顔・ほてり・血管拡張・ブツブツなどが顔に出る皮膚病)の治療薬としてイベルメクチンクリームの取り扱いを開始しました。
イベルメクチンクリームは米国FDAで酒さの治療薬として承認を得ていますが、日本では保険適応外のクリームですので、当院では1本30g 4,400円(税込)で販売します。
イベルメクチンは内服薬として寄生虫(疥癬など)疾患の治療に使われていますが、外用薬として酒さの治療に有効です。特に丘疹膿疱型(ブツブツ)に高い効果があります。
酒さに対しては保険診療で対応できるロゼックスゲル(成分:メトロニダゾール)がありますが、かぶれて使えない・効果が不十分という場合があります。
当院では従来より、ロゼックスゲルの使えない方向けに20%アゼライン酸クリーム(AZAクリア:医療機関専売品)を取り扱っていましたが、やはり刺激が強くて使えない・効果不十分な方も見受けられましたのでイベルメクチンクリームを取り扱うことにいたしました。
海外の報告ですが、イベルメクチンクリームは15%のアゼライン酸よりも有害事象が少ないと言われています。
イベルメクチンクリームは1日1回の外用なので、ロゼックスゲルやAZAクリアと違って朝に塗る必要がありません。
朝に外用するとメイクがしづらいというお声もありましたので、1日1回外用のイベルメクチンクリームは続けやすいと思います。
ロゼックスゲル、AZAクリア、イベルメクチンクリームの比較は以下の通りです。
★イベルメクチンクリームの長期的な外用に関する問題は現在のところ指摘されておりませんが、酒さの状態を判断するためにも購入時は毎回診察を受けていただきますようお願いいたします。
【使用方法】
1日1回、洗顔後に外用します。スキンケアが乾いた後に使用します。使用後は手を洗ってください。開封後は3か月以内に使い切ってください。
【使用できない方】
妊娠中・授乳中の方
過去にイベルメクチンでかゆみや発疹などのアレルギー反応を起こした方
【副作用】
アレルギー反応(かぶれ)、頭痛・めまい、消化器症状
★アゼライン酸や赤ら顔については過去の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
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