「マスクを着けてから、たるんだ気がします」
たるみ
コロナの件があってから、2-3人の患者様が同じことをおっしゃいました。
「マスクを着けていたら、たるんできたんです」
ん???
たるみ+マスクで想像するのは、むしろ顎から耳までぐいーんと引っ張るマスクなんですが…(市販品でありますよね)
どういうことなんだろう、と思いながらいろいろ考えていました。
可能性として、現時点で3つあるんじゃないかと思います。
①視覚効果
マスクで顔半分が覆われますので、視覚的に動きがないものとして認識されます。
そして、マスクの輪郭はプリーツがあったとしても滑らかです。
マスクを着けている顔にすっかり慣れてしまった時、ふと外した顔を見ると輪郭の歪みが際立ってしまって、「あれ、私、たるんだんじゃないかな?」って感じる場合です。
たるみが進行したというより、もともとあったものに気付いてしまったという可能性です。
②無口になった、口角を挙げなくなった
マスクを着けていると、緊張感がなくなって、口元に表情を作る必要がなくなります。
あ、私は目尻・眉間・額にボトックスをしており(マスクから出ている部分)、マスクの下で「笑った声」を作らないと優しさが出せないので、マスクの下はいっぱい動かしています。笑
口元は、口角を挙げる筋肉と下げる筋肉のバランスでできていますが、年齢とともに口角を下げる筋肉が強くなってきます。
なので、黙っていても「怒ってる?」になるんですね。
マスクをするようになると、人から見られている意識がなくなるので、口角を挙げようとしなくなるんじゃないかと…
それが「真顔のデフォルト」になって、口角が下がった状態で癖になってしまい、たるんで見える可能性があります。
口角が下がると、マリオネットラインが目立つようになりますので、たるみを自覚するようになります。
マリオネットラインって、のところの線ですよ。
③コロナ太りした
コロナで自粛生活が続き、体重が増えた方も多いと思います。
体重が2kg変わると、たるみに影響してくるとも言われます。
つまり、顔に脂肪がついた、特に口周りの脂肪や二重顎が目立ってくると、たるみを感じるようになります。
体重が短期間に急激に増えたことも、可能性の1つですね。
たるみは顔全体の骨を含めた様々な要素が関係しているので、この数ヶ月でいきなりガクッと進行したとは考えにくいのですが…
もし患者様がそう感じるのであれば、これらが理由なのではないかと考えました。
というのも、皆さん頬から顎を両手で包むようにして「たるんできた気がするんです」とおっしゃるんですね。
他にも、ほうれい線や目の下のクマなど、くっきり目立つラインはあるにも関わらず、です。
マスクで隠れるからいいや、と感じる方もいらっしゃる一方で、マスクをきっかけにたるみが気になってきた方もいらっしゃいます。
お顔立ちやお悩みによってご提案するものが変わってきますが、機械と注入(ボトックスやヒアルロン酸)、脂肪減少治療などを組み合わせていきます。
パッと見た印象を左右するのは「シワ・たるみ」の要素ですので、気になった方は治療をご検討下さいね。
札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
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