おせち料理、美容面を考えた食べ方のコツ
年末年始は年越しそばやおせち料理が定番ですが、全体的に糖質の多い食事になってしまいます。
麺類や砂糖醤油味の煮物、根菜類は糖質を多く含んでいるんですね。
最近はロカボ(低糖質)おせちが人気なんだそうです。
糖質の摂り過ぎはどうして良くないか、ご存じですか?
①シワ・たるみの原因に
糖質の多いものを食べると血糖値が上がるだけでなく、体の細胞が糖と結びついて老化が早まってしまうんですね。
皮膚でいうと、コラーゲンやエラスチンといった真皮の線維が糖が結びついて肌のハリや弾力を低下させます。
結果、シワ・たるみの一因にもなります。
また、コラーゲン線維が糖と結びつくと茶色っぽく変色し、肌が黄色っぽく見える「黄ぐすみ」の原因になります。
これは肌のトーンを暗くさせる要素ですが、メラニンによるくすみとは違うので、レーザーやスキンケアでどうにかするのは難しいです。
②赤ら顔や閉経後のほてりの原因に
血糖値が急上昇すると皮脂の分泌が増えることにより、毛穴が広がって目立ちやすくなります。
また、赤ら顔や閉経した方のほてりの頻度を増やすことが知られています。
③フケの原因に
糖分は皮膚表面の酵母やバクテリアのエサになるので、フケの原因にもなります。
「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」という、頭がカサカサしてフケが増える皮膚病がありますが、甘いものを食べると悪くなる方が多いです。
このように、糖質の過剰は皮膚に大きな影響を与えます。
年に1回のおせちですから、日本の食文化を楽しんだらよいと思いますが、食べる順番に気を付けるといいですね。
一番最初に糖質の多いものを食べないように工夫することで、血糖値の急上昇を防げます。
たんぱく質(肉や魚など)や野菜、キノコ類を最初に食べるといいです。
メインメニューでいくとローストビーフ、海老、お刺身などですね。
魚というとカマボコや田作り、野菜というとなますを思い浮かべるかもしれませんが、これらは案外糖質が多いですので注意が必要です。
お雑煮はキノコや野菜から食べるといいですし、煮物ならこんにゃくですね。
葉物野菜のサラダもあるといいです。
お餅や栗きんとん、黒豆や伊達巻は最後に少しだけ食べましょう。
自分でおせちを作る場合は、砂糖の代わりにラカントSを使うといいです。
糖質やアルコールの多い食生活では、ビタミンB群が足りなくなり肌荒れしやすくなりますので、サプリなどを上手に利用しましょう。
おせち料理を食べないというご家庭には、すき焼きがお勧めです。
糖質をたくさん摂った後はすぐに運動するといいので、初詣などに出かけるのも1つです。
食事は寝る3時間前までに終わらせた方が良いので、食っちゃ寝生活は控えましょう。
年末年始、栄養が偏って不規則な生活になりがちですので気を付けましょうね。
【関連記事】
札幌市の皮膚科専門医・美容皮膚科医です。2022年7月に札幌市厚別区新札幌にて「さとこ皮膚科・美容クリニック」を開院しました。
私自身が体質的な敏感肌に悩み、普段のスキンケアを見直すことで肌のトラブルを減らせると痛感しています。
忙しい外来では伝えきれないたくさんのことを、記事を通してお届けしたいと思っています。
スキンケアのよくある間違いについて医学的な視点でお伝えしているほか、敷居が高いと思われがちな美容皮膚科治療についても皮膚科専門医として発信していきます。
2006年札幌医科大学卒業
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/美容皮膚科・レーザー指導専門医
この記事へのコメントはありません。